生成AIを安全に活用するためのリテラシーを証明する資格——それが「生成AIパスポート」です。
近年、生成AIの急速な普及に伴い、AIリテラシーを持つ人材の需要が高まっています。本記事では、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が実施する「生成AIパスポート試験」について、取得するメリット、試験の内容、難易度、受験時の注意点などを公式情報に基づいて解説します。
生成AIパスポートとは
生成AIパスポートは、生成AIリスクを予防する日本最大級の資格試験です(2025年9月時点で発表されている生成AI関連の資格試験や検定の受験者数に基づく)。
一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA:Association to Generalize Utilization of Generative AI)が提供するこの資格は、生成AIに関する以下の内容を体系的に学べます:
- 生成AIに関する基礎知識
- AIの動向
- 活用方法
- 情報漏洩や権利侵害などの注意点・リスク
AI初心者が最低限押さえておきたいリテラシーを網羅しており、生成AIの安全な活用に必要な知識を有する企業・人材を可視化することで、日本社会におけるAIリテラシーの標準化を推進しています。
試験の基本情報
生成AIパスポート試験の基本情報は以下の通りです。
試験概要
| 項目 | 内容 |
|------|------|
| 名称 | 生成AIパスポート試験 |
| 開催形式 | オンライン(IBT方式) |
| 試験時間 | 60分間 |
| 問題数 | 60問 |
| 出題形式 | 四肢択一式 |
| 受験資格 | 制限なし |
| 受験費用 | 11,000円(税込)※学生は5,500円 |
※IBT方式(Internet Based Testing)とは、インターネットを経由して実施する試験のことです。パソコン、スマートフォン、タブレットなどから受験できます。
年間スケジュール(全5回)
生成AIパスポート試験は年間5回実施されます。
| 受験月 | 申込期間 | 受験期間 |
|--------|----------|----------|
| 2月 | 10月1日〜1月31日 | 2月1日〜2月28日(29日) |
| 4月 | 2月1日〜3月31日 | 4月1日〜4月30日 |
| 6月 | 4月1日〜5月31日 | 6月1日〜6月30日 |
| 8月 | 6月1日〜7月31日 | 8月1日〜8月31日 |
| 10月 | 8月1日〜9月30日 | 10月1日〜10月31日 |
受験期間中であれば、希望する時間に受験できます。
推奨環境
| 項目 | 推奨動作環境 |
|------|-------------|
| OS | Windows 10/11、macOS 11(Big Sur)以上 |
| ブラウザ | Chrome/Safari/Edge/Firefox(最新版推奨) |
| 通信速度 | 5Mbps以上の安定した回線 |
出題範囲(シラバス)
試験の出題範囲は公式サイトでシラバスとして公開されています。主な内容は以下の通りです:
- 生成AIの基礎知識:生成AIの仕組み、種類、特徴
- 活用方法:ビジネスや日常での活用シーン
- リスクと注意点:情報漏洩、著作権、プライバシー
- 法規制・ガイドライン:国内外のAI関連規制
- 最新動向:生成AIの技術トレンド
詳細なシラバスは公式サイトからダウンロードできます。なお、シラバスは毎年2月を基本として改訂されるため、受験時には最新版を確認してください。
取得するメリット
1. 生成AIの基礎を体系的に学べる
独学では偏りがちな知識を、体系的かつ網羅的に習得できます。特に、リスク管理や法的な注意点など、見落としがちな分野もカバーしています。
2. スキルの可視化・証明ができる
合格者には「合格証書」と「オープンバッジ」が発行されます。オープンバッジは1EdTech Consortiumの国際技術標準規格「Open Badges」で認定されており、ブロックチェーン技術を採用した信頼性の高いデジタル証明書です。
LinkedInなどのプロフィールにも掲載でき、転職やキャリアアップの際にAIリテラシーを客観的にアピールできます。
3. 資格は無期限で有効
一度取得した資格は無期限で利用できます。ただし、シラバス改訂時には「資格更新テスト」が実施され、最新知識のキャッチアップを証明することも可能です(任意)。
4. 企業・団体での活用
企業での団体受験にも対応しており、社員のAIリテラシー教育や、AI人材の可視化に活用できます。GUGA会員の場合、受験費用・テキスト購入費用が20%割引になります。
5. 学習コストが比較的低い
試験時間60分、問題数60問と、他の資格試験と比べてコンパクトな設計です。公式テキストも約1,800〜2,000円程度で、学習の負担は比較的軽いと言えます。
難易度について
合格基準
公式サイトでは合格基準(合格点)は明示されていません。試験結果とともに合否が通知されます。
難易度の目安
生成AIパスポート試験は、AI初心者を対象とした試験です。以下のような方を想定しています:
- 生成AIをこれから活用したい方
- AIの基礎知識を身につけたい方
- 業務でAIを安全に使うためのリテラシーを習得したい方
技術者向けの専門的な試験ではないため、プログラミングや数学の深い知識は必要ありません。公式テキストをしっかり学習すれば、十分に合格を狙えるレベルです。
学習時間の目安
個人差はありますが、公式テキストを1〜2週間程度学習すれば合格圏内に入れるという声が多いです。ただし、生成AIを全く使ったことがない場合は、実際にChatGPTなどを触りながら学習することをおすすめします。
学習方法と教材
公式テキスト
GUGA監修の公式テキストが販売されています。試験出題範囲をすべてカバーしています。
| 形式 | 価格(税込) |
|------|-------------|
| 電子書籍版 | 1,782円 |
| 製本版 | 1,980円 |
楽天Kobo版、Kindle版、製本版から選べます。2026年2月試験以降は第4版に対応しています。
AIクイズアプリ
GUGAのLINE公式アカウントでは「生成AIパスポート AIクイズアプリ」を提供しています。公式テキストの内容をAIに学習させた〇✕形式のクイズで、スキマ時間の学習に活用できます。
サンプル問題
公式サイトでサンプル問題(PDF)が公開されています。受験前に出題形式を確認しておくとよいでしょう。
受験時の注意点
1. 受験環境の準備
IBT方式のため、安定したインターネット環境が必要です。試験中に接続が途切れると、問題が生じる可能性があります。
- 通信速度5Mbps以上の安定した回線を確保
- 可能であれば有線LANを使用
- 試験中は他のアプリケーションを閉じておく
2. シラバスの改訂に注意
シラバスは毎年改訂される可能性があります。受験時には最新のシラバスを確認し、それに対応したテキストで学習しましょう。
3. 不正行為の禁止
以下の行為は不正行為として、試験結果の無効や受験資格の停止につながる場合があります:
- 受験環境での写真撮影、画面キャプチャ
- 他人との共有、SNSへの投稿
- なりすまし受験
4. 受験期間に注意
受験期間は約1ヶ月間ありますが、余裕を持って受験しましょう。期間終了直前はアクセスが集中する可能性があります。
資格更新テストについて
生成AIは急速に進化する分野のため、GUGAでは有資格者向けに「資格更新テスト」を実施しています。
| 項目 | 内容 |
|------|------|
| 形式 | オンライン(IBT方式) |
| 内容 | 動画視聴(約2時間)+チェックテスト10問(15分) |
| 費用 | 6,600円(税込)※学生は3,300円 |
| 対象 | 生成AIパスポート有資格者 |
資格更新テストは任意であり、受講しなくても既存の資格は無期限で有効です。ただし、最新のAIリテラシーを証明したい場合は、更新テストに合格することで新たなオープンバッジが発行されます。
団体受験について
企業・団体向けの団体受験も可能です。
GUGA会員の場合
- 人数の下限なく申し込み可能
- 受験費用・テキスト購入費用が20%割引
非会員の場合
- 2名以上から申し込み可能
- 10名以上の場合、10%割引
- 請求書払いに対応
社員教育の一環としてAIリテラシー研修を行う場合、生成AIパスポートの団体受験は有効な選択肢です。
他の資格との比較
生成AI・AI関連の資格は複数存在します。主な違いを把握しておきましょう。
G検定(JDLA)との違い
G検定は日本ディープラーニング協会が実施する資格で、ディープラーニング全般の知識を問います。より技術的・網羅的な内容で、難易度も生成AIパスポートより高めです。
生成AIパスポート:生成AI特化、初心者向け、60分60問
G検定:ディープラーニング全般、ジェネラリスト向け、120分200問程度
AI実装検定との違い
AI実装検定はプログラミングを含む実装スキルを問う試験で、技術者向けです。生成AIパスポートは非技術者でも受験できる点が異なります。
こんな人におすすめ
生成AIパスポートは以下のような方におすすめです:
- ビジネスパーソン:業務で生成AIを活用したい方
- 管理職:部下のAI活用を適切に管理したい方
- 就職・転職活動中の方:AIリテラシーをアピールしたい方
- 学生:これからの社会で必要なスキルを身につけたい方
- 企業の人事担当者:社員のAIリテラシー教育を検討している方
まとめ
生成AIパスポートは、生成AIを安全に活用するための基礎知識を体系的に学べる資格試験です。
ポイント:
- オンライン(IBT)で60分・60問の試験
- 年5回実施、受験費用11,000円(学生5,500円)
- 合格すると「合格証書」と「オープンバッジ」を取得
- 資格は無期限で有効
- AI初心者向けで、公式テキストで十分対策可能
生成AIの活用が当たり前になりつつある今、AIリテラシーを客観的に証明できる資格を持っておくことは、キャリアにおいてプラスになるでしょう。
まずは公式サイトでシラバスやサンプル問題を確認し、自分に合っているか検討してみてください。
最終更新日: 2026年1月12日
執筆者: 生成AIリテラシー診断チーム
参考文献
- 生成AI活用普及協会(GUGA)公式サイト - 生成AIパスポート - 試験概要・シラバス・申込情報
- 生成AIパスポート試験 サンプル問題 - 出題形式の確認
- 1EdTech Consortium - Open Badges - オープンバッジの国際規格
関連記事: