「ChatGPT に前の会話を覚えていてほしいのに、また同じ説明をしなきゃ…」「毎回自分の背景を書くのが面倒」——そう感じたことはありませんか?
ChatGPT が会話を忘れる理由は別記事で解説しましたが、本記事では 「じゃあどうすれば覚えさせられるか」 に焦点を当てます。
実は ChatGPT には、会話を継続的に活かすための 3 つの方法 が用意されています。それぞれ得意な場面が違うので、うまく使い分けると 「毎回説明する手間」がほぼゼロ になります。
3 つの「覚えさせる方法」の全体像
まずは全体像から。
| 方法 | 何を覚える | いつ使う | 難易度 |
|---|---|---|---|
| ① メモリ機能(Memory) | 会話中に伝えた個人情報・好みを自動で覚える | 日常使いで「毎回説明が面倒」な人 | ★(設定オンだけ) |
| ② カスタム指示(Custom Instructions) | あなたの背景・返答スタイルの好みを固定で保持 | 全ての会話で同じ前提を使いたい人 | ★★(一度書けばずっと有効) |
| ③ GPTs / マイ GPT | 特定の目的専用のカスタム AI を作る | 特定のタスクを繰り返し行う人 | ★★★(設定に少し慣れが必要) |
それぞれ順に、実践的な使い方を見ていきましょう。
方法 ①:メモリ機能(Memory)を使う
一番手軽な方法です。設定を有効にするだけで、ChatGPT が会話中の情報を自動的に記憶するようになります。
メモリ機能とは
- ChatGPT が会話中のあなたの情報・好みを自動で記録
- 別のチャットを開いても、記録された情報を参照して応答する
- 例:「私は 30 代の会社員で、東京在住」と一度伝えれば、以降は自動で覚えている
有効化の方法
- ChatGPT の左下のアカウントアイコンをクリック
- 「設定」→「パーソナライズ」
- メモリ機能をオン
メモリを活用するプロンプト例
明示的に「覚えて」と伝える
以下の情報を覚えておいてください。今後の会話に活かせるようにしたいです。
- 職業:IT エンジニア
- 年齢層:30 代
- よく使う言語:Python、TypeScript
- 苦手なこと:デザインの判断
- 返答の好み:結論から先に、コード例は簡潔に
これらを踏まえて、今後の返答スタイルを調整してください。ポイント:明示的に「覚えて」と伝えると、ChatGPT が確実にメモリに保存します。
保存されたメモリを確認・編集する方法
- 設定 →「メモリを管理」で保存内容を一覧表示
- 不要なメモリは個別に削除できる
- 「全部忘れて」と伝えれば全消去も可能
メモリの落とし穴
- 勝手に覚えられて困る情報もある(例:一時的な用件、他人の情報)
- 会話ごとにチェックし、不要なメモリは削除する運用が現実的
- 業務・機密情報を扱う場合は、メモリ機能はオフにするのが安全
方法 ②:カスタム指示(Custom Instructions)を使う
メモリ機能より確実に・毎回参照されるのがカスタム指示です。
カスタム指示とは
- 「あなたについて」と「ChatGPT にどう応答してほしいか」の 2 つの欄に、背景と好みを固定で書ける
- 全ての新規チャットで自動的に読み込まれる
- メモリ機能が「会話中に気付いた情報」を貯める仕組みなら、カスタム指示は「明示的に固定する情報」を書く仕組み
設定方法
- 設定 →「パーソナライズ」→「カスタム指示」
- 2 つの欄にそれぞれ入力
- 保存
「あなたについて」に書く例
私の背景:
- 職業:中規模 IT 企業のプロダクトマネージャー
- 経験:Web サービス開発 8 年、マネジメント 3 年
- 現在の関心:AI 活用による業務効率化、チームビルディング
私の状況:
- チームサイズ:エンジニア 6 人、デザイナー 2 人
- 主要プロダクト:BtoB SaaS
- 得意領域:要件定義、ステークホルダー調整
- 苦手領域:数値分析、細かい UI 検討「ChatGPT の応答スタイル」に書く例
応答の好み:
- 結論を先に、理由や補足を後に
- 箇条書きを積極的に使う
- 具体例や数字を交える
- 「〜と思われます」より「〜です」と断定的に
- 追加で確認したい点があれば、応答の最後に質問を 1〜2 つ添える
避けてほしい表現:
- 過剰な前置き(「素晴らしいご質問ですね」等)
- 決まりきったまとめ(「以上を踏まえて〜」等)
- 中立を装った答えの回避ポイント:これを一度書いておくと、全てのチャットで同じ前提でスタートできます。「毎回背景を伝える」手間がゼロになります。
カスタム指示の効果的な使い分けアイデア
- 仕事用の指示 と プライベート用の指示 を状況に応じて書き換えて使う
- 「あなたについて」は基本の自己紹介、「応答スタイル」は好みで切り替え
- プロジェクトが変わったら、指示も更新する
方法 ③:GPTs(マイ GPT)を作る
特定の目的専用のカスタム AI を作る方法です。
GPTs とは
- 特定のタスクに最適化された ChatGPT を自分で作れる機能
- 名前・アイコン・目的・振る舞いを設定できる
- 参照ファイル(ナレッジ) を持たせられる
- 他人と共有もできる
GPTs が向いているシーン
- 同じタスクを何度も繰り返す(例:会議議事録の要約、企画書のたたき台作成)
- 特定の参考資料を毎回参照させたい(例:自社のスタイルガイド、業界用語集)
- チームで共有したい業務プロセスがある
作り方の流れ
- ChatGPT の「Explore GPTs」→「Create」
- 名前・説明・アイコンを設定
- 「Instructions(指示)」欄に振る舞いを詳しく書く
- 「Knowledge」欄に参考資料をアップロード(PDF, テキスト, スプレッドシート等)
- 必要なら Web 検索・DALL·E・Code Interpreter などのツールを有効化
- 保存・公開
GPT の Instructions 例(議事録要約 GPT)
あなたは会議の議事録を要約する専門アシスタントです。
【入力】
ユーザーから会議の生の議事録(テキスト)が渡されます。
【出力】
以下の構造で要約を作成してください:
## 会議の概要
- 日時・参加者・目的(判る範囲で)
## 決定事項
- 箇条書きで、責任者と期限を含めて
## ToDo リスト
- 担当者ごとに、次のアクションを整理
## 主要な議論点
- 決着していない論点を 3 つまで
- 各論点の対立軸を短く
## 次回までに確認すべき事項
- リスト形式で
【トーン】
- 中立的、事実ベース
- 憶測は入れない
- 個人名は「〇〇さん」形式で
【禁止事項】
- 議事録に書かれていない内容の推測
- 感想や評価の追加ポイント:GPT にも同様のカスタム指示を書けます。参考資料も添付できるので、社内スタイルガイドを持たせるといった応用が可能です。
3 つの方法をどう使い分けるか
用途に応じた使い分けの目安を整理します。
| こんな時 | 使うべき方法 |
|---|---|
| 「毎回自己紹介するのが面倒」だけ解消したい | ② カスタム指示 |
| 好みを勝手に覚えていってほしい | ① メモリ機能 |
| 特定のタスクを繰り返し、専用の AI が欲しい | ③ GPTs |
| チーム全員で同じ AI 応答を使いたい | ③ GPTs(共有機能) |
| 業務・機密情報が絡む | どれもオフ or 慎重運用 |
併用は可能です。基本設定として ② カスタム指示 を書きつつ、① メモリ機能 で気軽に情報を蓄積し、繰り返しタスク用に ③ GPTs を作る、という組み合わせが実務的です。
プライバシー・注意点
「覚えさせる」機能は便利ですが、以下は押さえておきましょう。
① 個人特定情報の入力は最小限に
本名、住所、口座番号、社員番号——これらを覚えさせる必要は基本的にありません。「30 代・都内在住・IT 業界」程度で十分に機能します。
② 業務・機密情報はメモリ機能をオフに
顧客名、社内資料、開発中プロダクト情報——これらを扱う場合はメモリ機能をオフにしてください。Team / Enterprise プランなど、学習に使われない設定の利用も検討しましょう。
③ 定期的にメモリを見直す
保存されたメモリは、設定画面から一覧・削除ができます。不要になった情報は消しておくのが健全です。
④ 他人の情報を覚えさせない
会話の相手や、身近な人の詳細情報を AI に覚えさせる形で入力するのは避けましょう。自分の情報の範囲に留めるのが基本です。
まとめ:3 つを使い分けて「毎回説明する手間」を消す
ChatGPT に会話を覚えさせる方法は 3 段階あります。
- メモリ機能:気軽に、自動で。ただし業務・機密情報はオフに
- カスタム指示:自分の背景・好みを固定で。全チャットに反映
- GPTs:特定タスク専用の AI を作る。参考資料も持たせられる
この 3 つをうまく組み合わせれば、「ChatGPT に前提を毎回説明する」というストレスがほぼゼロになります。日常業務でも、勉強・執筆・企画でも、生産性が大きく変わる領域です。
なぜ ChatGPT はそもそも会話を忘れるのか?——仕組みの理解を深めたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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最終更新日: 2026 年 7 月 12 日
執筆者: 生成 AI リテラシー診断チーム
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